执笔者プロフィール

长野 晃(ながの あきら)
法学部 専任講師専門分野/ 政治哲学

长野 晃(ながの あきら)
法学部 専任講師専門分野/ 政治哲学
私は「政治哲学」なる学问分野を専门とし、この名称をもつ授业を毎年担当しています。もっとも、何をいかに教えれば政治哲学を教えたと言えるのでしょうか。もちろん、この分野で频繁に取り上げられるような根本问题や代表的な政治哲学者の学説について、一通り解説してみせることは可能です。しかし多くの学生は、そのような知识を得たところで、「そんな抽象的な问いに何の意味があるか分からない」という感想を抱くのではないでしょうか。
具体的な歴史的背景を考虑に入れれば、确かに理解は深まります。一见して抽象的な问いも、ある具体的な问题を何らかの仕方で解决しようと试みた人々の苦闘の痕跡と考えられるからです。実际私も、初学者向けの政治思想の基础讲义では、そのようなスタイルで过去の政治思想を解釈する授业をしています。もっともそうなると、そこで问われていた问いは、あくまでも或る特定の思想家にとっての歴史的な问いとなり、それを理解すれば理解するほど、当の私たちから离れていってしまうことにもなりかねません。
では歴史を捨象して、厳密な概念を用いて理论を构筑することに政治哲学の役割を见出すべきなのでしょうか。今日支配的な政治哲学は、このような方向に舵を切り、豊かな学问的成果を収めてきました。自らが用いる方法に意识的になれば、単なる世界観同士の衝突を超えた、意味のある论争が期待できます。そのような仕方で生み出されてきた最先端の知见を、现代的问题を手掛かりにしつつ绍介することにこそ政治哲学の授业の意义がある、という见解も当然あり得るでしょう。
もっとも私个人としては、政治哲学のそうした専门分野化については、どうにもアンビヴァレントな感覚を拭えないでいます。おそらく、専门分化が生じる以前の「哲学」観を捨てきれないからでしょう。政治学のどの领域においても専门分化が进んでいる今日だからこそ、政治哲学くらいはそこからはみ出すような何かであって欲しいという気がしないわけではありません。とりわけ学生が通常の政治学の学びに际して何らかの违和感を抱いている场合、それを少しでも明晰に言语化する手助けをすることは、政治哲学に课せられた重要な役割と言えないでしょうか。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。