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慶應義塾

知と文化の歴史的変容から読み解く教育思想史

登场者プロフィール

  • 綾井 桜子

    文学部 教育学専攻 教授

    綾井 桜子

    文学部 教育学専攻 教授

2023/02/03

近代フランスの教育史?教育思想史を専门としています。特に、启蒙主义の时代として知られる18世纪末から、今日の学校教育の基本的なかたちが出来上がる19世纪末にかけての时期を対象としています。自律的な主体形成や市民形成をはじめ、<教育>についての自覚的な问いかけや意识が、近代的子ども観や近代家族、近代社会の诞生を背景に教育理论として顕在化するのが近代という时代だからです。

出発点となったのは、デュルケームの『フランス教育思想史』という书物です。一般に、思想史というと、ある特定の人物の思想を対象とするものや、列伝を思い浮かべますが、同书は、フランスの中等教育を対象とした思想史です。同书の特色は、フランスにおいて、职业人や専门的知识の教育ではなく、一般的な人间形成を目的とする教育観がいつ诞生し、どのような文化的、歴史的経纬によって现在に至っているのかを、キリスト教的精神と异教的精神、知识?教养観、コレージュ(学寮?学院)の発展、主要な教育思潮をとりあげながら克明に明らかにしていることにあります。职业教育や専门教育への社会的な要请が高まるなかで、より大きな歴史的枠组みのなかに教养问题を位置づけなおしていること、フランスの教育観を相対化するための视点を提示していることも特笔すべき点として挙げられます。

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异文化の教育を対象とし、これを思想史的な観点から明らかにすることは、私たちが当たり前と见なしている教育観を问い直し、教育のリアリティを别様にみることを可能にします。私自身は、フランスの教育にみられる知识観や教养観について、デュルケーム以前と以后の时代に対象を広げながら考察をしています。现代フランス中等教育における哲学教育をめぐる考察も、こうした関心の延长线上にあります。教育を知的文化との関わりで研究するためには、西洋の歴史、人间観、自然観、言语観、哲学、社会的背景などについての幅広い理解が必要となることにも気づかされます。そのような意味で、教育について知るとは、総合知をもって可能になると言えます。17専攻から成る庆应义塾大学文学部は、教育についての幅広い知的探求に最适な条件を揃えています。急速な変化が求められる现代にあって、近代の枠组みでは捉え难い教育の侧面にも目を向け、人文?社会科学の新しい方法论にも学びながら、教育を问いなおしてゆきたいと考えています。

※所属?职名等は取材时のものです。