春雨直播app

慶應義塾

本州最北端石灰岩洞窟における挑戦的旧石器时代研究

登场者プロフィール

  • 渡辺丈彦

    文学研究科 史学専攻 民族学考古学分野

    渡辺丈彦

    文学研究科 史学専攻 民族学考古学分野

2023/04/01

庆应义塾大学所属の大学院生の顷から、旧石器时代の日本列岛を対象とした考古学研究を続けてきました。この日本列岛の旧石器时代研究は、研究开始期の1940年代后半から大きな问题点を抱えていました。それは、列岛を覆う土壌の多くが酸性火山灰土であり、本来存在していた骨や木などの有机质遗物が失われ、概ね石を材料とした石器のみを唯一の研究素材にせざるを得ない点です。世界的には、石以外の素材の各种道具(木器?骨角器)、旧石器时代人が入手した食料资源(动?植物遗体)、旧石器时代人そのもの(遗骨)なども含めて総合的な研究を行うのが一般的であることを考えると、大きなハンディキャップを负っていることは明らかです。

一方、このような厳しい状况において、同一遗跡内から、旧石器と共に有机质遗物が出土するわずかな事例もあります。外気から遮断される堆积环境により、有机质遗物が腐败バクテリアから守られる泥炭层遗跡や湖底遗跡、そしてアルカリ质の强い石灰岩が酸性の土壌を中和する石灰岩洞窟などがその例です。いずれも特殊な环境に形成された遗跡であり、その探索自体も容易なことではありません。しかし多様な遗跡出土资料に基づく総合的な视点からの旧石器文化像の解明は、世界的な研究の潮流であり、避けては通れない问题でした。この问题を解决するため、庆应义塾大学民族学考古学研究室は、1990年代后半から石灰岩地帯における洞窟探査とその発掘という挑戦的な研究を続けています。

この取り组みは、岩手県北上山地のアバクチ洞窟?风穴洞窟に始まり、现在は青森県下北半岛に所在する尻労安部洞窟の発掘调査を行っています。幸いにして、尻労安部洞窟での挑戦は成功をおさめ、2008年には地表下4mの位置から旧石器が见つかり、同洞窟における旧石器时代人の利用が确定しました。また翌年以降、ノウサギ、ヘラジカ、ヒグマなどの动物遗体も続々と発见されました。日本の旧石器时代遗跡は约1万か所ありますが、石器と动物骨が同时に出土した例は仅か5例にすぎません。この発见は、日本列岛旧石器时代人の狩猟対象獣の种类を知らしめたのみならず、その狩猟方法を具体的に復元する上での大きな手がかりをもたらしました。

(2023/4/1)