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慶應義塾

バロック建筑と科学革命の接点

登场者プロフィール

  • 金山弘昌

    文学研究科 美学美術史学専攻

    金山弘昌

    文学研究科 美学美術史学専攻

2024/04/01

私の専门分野は美术史ですが、研究対象はおもに近世イタリアの建筑です。卒业论文と修士论文ではローマの盛期バロックを代表する建筑家ボッロミーニをテーマにしました。后にフィレンツェ大学に留学しましたが、ローマ?バロック専门の先生に师事しつつも、国立文书馆やウフィツィの版画素描室、国立中央図书馆といった一次史料の宝库を活かすべく、今度はフィレンツェの建筑にも目を向けるようになりました。

もっとも、文书馆で史料を笔写した日々はもはや远く、コロナ祸のため、そしてなによりも兴味がより一般的抽象的なレベルに移ってきたため、近年ではバロック建筑と同时代科学の関わりがおもな関心事となっています。

そもそもの契机は、やはり留学先がフィレンツェであったことです。この都市は私の元々の兴味の対象であった17世纪には事実上の衰退期にあり、それは英国の歴史家ハロルド?アクトンの名着『メディチ家の黄昏』に活写されている通りです。かつてルネサンスにおいてブルネッレスキが活跃したこの都市の建筑も、少なくとも様式的には停滞を迎えます。しかしこの时代のフィレンツェが、ガリレオ?ガリレイの存在により、科学革命の中心地のひとつであったのもまた事実です。そこで私も、ガリレオの业绩、とりわけ力学と同时代建筑との関わりに兴味を向けるようになったのです。

目下のテーマも、この延长线上にあります。ボッロミーニらバロック建筑の様式的特徴のひとつに曲线の多用がありますが、当时の科学においてもまた、各种の曲线の数学的?力学的特性に関心が向けられました。一方がもう一方に影响を与えたという単纯な図式は成立不可能で、科学と建筑の间にある、ある种パラレルな関係の指摘に留まらざるをえませんが、少しでも関係の実际を明らかにしていくことが现在の目标です。より具体的には、近代の巨匠アントニ?ガウディの建筑にも顕着な、パラボラ(放物线)?アーチとカテナリー(悬垂曲线)?アーチのドーム形式への応用の歴史についての考察です。ガウディの典拠のひとつは、18世纪イタリアの数学者?建筑理论家ジョヴァンニ?ポレーニのサン?ピエトロ大圣堂のドームについての着作でした。準备中の考察では、さらにポレーニの以前に遡って、これらの曲线が构造力学的な原理に基づいてドーム形式に応用されていく过程を大まかにスケッチすることを目指しています。

(2024/4/1)

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