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慶應義塾

ことばの履歴书と辞书づくり

登场者プロフィール

  • 木村义之

    文学研究科 国文学専攻 日本語教育学分野

    木村义之

    文学研究科 国文学専攻 日本語教育学分野

2024/04/01

卒业论文でも、修士论文でも、明治期の言文一致运动で活跃した、二叶亭四迷や山田美妙、尾崎红叶らの文章に兴味をもって、その理论と実践のあり方を考えてみました。それ以来、主に江戸后期から明治期にかけての日本语资料に関心をもって接してきました。博士课程に进学したとき、恩师から「もっと単位を小さくとってみたら?」というご助言をいただき、个别の语の使用される背景を考えるようになりました。これは、语源研究とは异なり、その语の意味や用法の変化をたどり、记述することに心がけてきました。いわば、ことばの履歴书を作る作业のようなものです。たとえば、「姉妹」という语は、本来、同じ亲子関係にある女性どうしを言いますが、「姉妹都市」などのように、同类を表すときにも使われます。私が调べてみたところ、明治期に「姉妹舰」のような例が多く见つかりました。背景には翻訳の际に西洋语に见られる名词の性差が関係していると考えました。また、日本语では口头语で「キョウダイ」と言うときは、必ずしも男性だけでなく、「女のキョウダイ」のようにも言えることから、「シマイ」は「キョウダイ」ほど日常语的ではなかったので、类义関係を表すときに転用するには都合がよかったのではないかと推测しました。20世纪に入ると、书籍の「姉妹编」、「姉妹校」なども例の数が増え、次第に広がる様子も観察できました。ちなみに日本では、「姉妹都市」の関係を结んだ例は、第二次大戦后でした。このような语の用法の変化や広がりを调べることを语誌と呼んで语源研究と区别します。こうした个别语誌の研究は多くの用例を観察する必要があるので、なかなか前に进みません。関连する语も调査する必要があるので、1语を调査するために、その数倍の语を対象とする必要があります。

一般に、语の意味や用法を记述し、原则にしたがって配列したものを、辞书と呼びますが、私の研究を支えてくれるのは、近代の多様な辞书です。辞书自体の研究と、语誌の研究は切り离せません。したがって、私の研究の一面は、辞书づくりとも関係しています。2022年には、『新选国语辞典 第10版』を刊行しました。辞书づくりの现场とかかわるようになったのは、大学院生时代にアルバイトとして『大辞林』という辞书の资料整理を行っていたことによります。そこで多くの先生と知り合いました。ことばの意味を简洁に过不足なくまとめる苦労は今も続いています。

私は现在、留学生の日本语教育にたずさわる日本语?日本文化教育センターを本属としていますが、日本语を母语とする学生も、留学生と同じように问题意识をもって、日本语の意味や用法をとらえてくれればと愿っています。

(2024/4/1)

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