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慶應義塾

スピントロニクス研究开発センター

公开日:2025.06.30
KGRI

センター概要

「スピントロニクス研究开発センター」は、慶大が日本のスピントロニクス研究の中心的役割を果たすことを目的として、基礎から応用の幅広い領域で世界をリードする研究成果を発信する。スピントロニクスとは、物質の電気特性と磁気特性の双方を制御することにより得られる新しい物理現象を見出し、その成果を電子?情報通信産業のイノベーションに結びつける新しい学術分野である。その創成と発展には、本塾の研究者と出身者が大きく寄与しており、今後の基礎学問としての更なる発展と産業界における応用を先導するためにスピントロニクス研究开発センターを設置した。

キーワード?主な研究テーマ

スピン量子コンピュータ、窒素空孔中心、同位体工学、スピン流、マグノン、スピントルク素子

2020年度 事业计画

■2019年度(厂鲍)より継続する活动内容について、継続する背景?根拠と目标

「スピントロニクス研究开発センター」では、慶應義塾大学が日本のスピントロニクス研究の中心的役割を果たすため、基礎物理から工学応用の幅広い領域で世界をけん引する研究成果を発信することを目的とする。スピントロニクスとは、物質を構成する素粒子の一つである電子の電気特性(電荷)と磁気特性(スピン角運動量)の双方を制御することにより得られる新しい物理現象を見出し、その成果を電子?情報通信産業のイノベーションに結びつける新しい学術分野である。その創成と発展には、本塾の研究者と出身者が大きく寄与しており、今後の基礎学問としての更なる発展と産業界における応用を先導するためにスピントロニクス研究开発センターを設置する。

本センターは、塾内のスピントロニクス研究者の拠点であると同時に、国内外のスピントロニクス研究者間の連携を推進するスピントロニクス連携ネットワークの中心としての任務を遂行する。そのため、日本のスピントロニクス分野の研究者コミュニティの代表として、東京大学、東北大学、大阪大学、京都大学、慶應義塾大学の拠点5大学が「スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク(Spintronics Research Network of Japan, Spin-RNJ)」拠点形成計画をとして応募し、最高评価ランクでこれに採択された。これは、重点的な国费投入(文科省?大规模学术フロンティア促进事业)が必要な研究分野を评価?认定するものであり、庆大のスピントロニクス研究において大型予算を获得するチャンスが大きく広がるだけでなく、拠点大学间の人材交流を通じた学术领域の発展と国际竞争力の向上に繋がる。また、これらの予算を活用してセンターオフィスと共通研究スペースを开设し、センター所员の有机的な连携を実现することにより、スピントロニクス研究において新机轴を生み出す。

■2020年度の新规活动目标と内容、実施の背景

主な活动内容は下记のとおりであり、本年度もコロナ祸の制约下で厂辫颈苍-搁狈闯若手オンライン研究発表会(2020年6月3日~4日、267名参加)を开催するなど、これまでにスタートアップセンターとしても十分な成果をあげている。

  1. シンポジウム/研究会の共催?协賛

  2. 広报?アウトリーチ活动

  3. 国际会议派遣补助

  4. 庆大理工学部の研究共有スペースを利用したセンターの研究スペース拡充

  5. 最先端スピントロニクスデバイス研究に必要な共用设备料金の补助

2020年度 事业报告

■当该年度事业计画に対する実施内容、および研究成果と达成度(厂鲍として)

本年度は、电子スピンを利用した全く新しいデバイス応用に结び付ける研究を実施し、次のような成果を得た。

(1)「物质中の音波を用いた新しい磁気生成法の开発」磁気回転効果は、物质の磁気の源が电子の回転运动であることを示す普遍的な物理现象であり、全く新しい磁気制御方法として期待されていた。しかし、その効果の大きさは、最新の远心分离器で回転させても地磁気よりも弱く、物质の磁気制御に使えなかった。研究グループは、1秒间に10亿回以上の速さで原子が局所的に回転する音波がニッケル鉄合金磁石に巨大な磁気回転効果(地磁気の10万倍以上)を発生することを世界で初めて発见した。

(2)「巨大な非相反性を持つスピン波ダイオードの开発」磁石と半导体を组み合わせた复合材料において、音波の注入方向と磁気の向きにより、磁気の波「スピン波」の振幅を大きく変调できることを発见した。従来の方法では、磁石をナノメートルスケールの厚さにすると顺方向と逆方向に伝搬するスピン波の振幅が同等になり、スピン波の整流动作を実现することが困难だった。本研究グループは、膜厚が20ナノメートルの薄膜ニッケル磁石と400ナノメートルの半导体シリコンを组み合わせたニッケル/シリコン复合材料(复合材料)を作製し、逆方向のスピン波振幅を顺方向の12分の1以下に低减できることを明らかにした。

特に(1)の成果は、中国科学院大学カブリ理论科学研究所との国际共同研究の成果であり、本センターを介した密接な研究交流によるものであり、当初の目的を达成している。

公刊论文、学会発表、イベントなど社会贡献の実绩

(1)公刊论文数:10报

  • Physical Review Letters (IF=8.385 @2019), Physical Review Applied(IF=4.57 @2018) など

(2)学会発表件数:(国内)17件、(国际)7件

(3)イベントなど社会贡献の実绩:12件

  • 厂辫颈苍-搁狈闯若手オンライン研究発表会(2020年6月3日~4日、267名参加)の开催(东大?东北大?阪大?庆大による共同开催)

  • 电気学会A部门マグネティクス研究会「ナノスケール构造磁性体,磁性材料,磁気応用一般」(2020年8月3日,オンライン)

  • 第25回「半導体スピン工学の基礎と応用」(PASPS-25) 研究会(2020年11月17日~19日,オンライン)

  • 电気学会A部门マグネティクス研究会「高周波磁気工学、ナノスケール构造磁性体、スピントロニクス、マイクロ磁気、磁性材料?磁気応用一般」(2020年12月8日,オンライン)

  • スピントロニクス学術研究基盤と連携ネットワーク拠点(Spin-RNJ) 2020年度年次報告会(2021年3月9日,オンライン)

  • 日本物理学会第76回年次大会シンポジウム「スピントロニクスによる古典情报と量子情报科学技术の融合」(2021年3月12日,オンライン)

  • 日本材料科学会マテリアルズ?インフォマティクス基础研究会(2021年3月,オンライン)※リアルタイム讲演+オンデマンド公开

  • Computational Materials Design (CMD) ワークショップ第37回(2020年8月31日~ 9月4日, オンライン)第38回(2021年2月22日~ 26日, オンライン)

  • スピントロニクス入门セミナー第19回(2021年1月7日~8日,オンライン) など

センター活动を通じて特に成果を挙げた事柄(厂鲍として)

研究成果において、実用化に向けた展开が期待できるものとして、

(1)表面弾性波におけるスピン流源の空间分布を调査した研究の副产物である「スピン波の巨大な非相反性の発现」と、

(2)表面弾性波の格子回転の定量评価実験で発见した「音波を用いた磁気回転効果」が挙げられる。

(1)では、厂颈/础濒复合材料において、表面弾性波を用いたスピン波励起の非相反性が厂颈の膜厚により剧的に増强される现象を実験的に検証した。スピン波を用いた高速?省电力な情报通信?论理演算を実现するスピン波デバイスにおいて、动作の実现に不可欠なスピン波ダイオードの性能を飞跃的に向上できる研究成果である。また、逆方向のスピン波振幅をほとんどゼロにできるため、マイクロ波からスピン波への信号変换を磁石の磁気の向きによりオンオフ制御するスピン波スイッチとしても実装可能である。さらに、复合材料におけるスピン波の非相反性は、スピン波と结合する表面弾性波の非相反性も生み出す。表面弾性波を用いた従来型厂础奥フィルタ素子では、送受信アンテナ间における入射波と反射波の干渉がデバイス性能の低下や故障の原因となっていた。今回开発した复合材料により表面弾性波の非相反性を生み出すことで、逆方向に伝搬する入射波と反射波の干渉を低减できるため、スマートフォンなど高度な情报処理を行う无线通信端末で広く利用されている厂础奥フィルタ素子の性能向上が期待できるなど、通信产业界にも大きな波及効果がある。さらに、物质中を伝搬する音波を整流する弾性波ダイオードなど、全く新しいデバイス创生が见込まれる。

(2)は、回転运动の保存则に基づく普遍的な効果であり、磁石の性质とは无関係なので、すべての最先端磁気デバイスに応用することが可能である。ジュール热を伴う电流に比べてエネルギー损失の少ない音波を用いたスピンデバイス动作に大きく道を拓くものであり、スピンデバイス(惭搁础惭をはじめとするスピンメモリ、スピン波を用いた论理演算デバイスなど、省电力?高速动作を必要とする人工知能回路の基本构成部品)の大幅な省电力化の実现につながる。本件は、2020/04/01付、および2020/05/28付でプレスリリース(闯厂罢と庆大の共同リリース)された。

メンバー

プロジェクトメンバー

研究代表者

能崎幸雄

教授理工学部 物理学科

安藤和也

准教授理工学部 物理情报工学科

伊藤公平

教授理工学部 物理情报工学科