2021/06/09
庆应义塾大学薬学部
慶應義塾大学、明治ホールディングス株式会社を中心とする研究グループは、アミノ酸、特にグルタミン酸の摂取が、個体の飲水量を増加させることにより、細菌感染性の下痢にともなう脱水症を抑えることを明らかにしました。本研究は慶應義塾大学薬学研究科修士課程君塚達希(きみづか たつき)(研究当時)、同薬学部の金倫基(きむ ゆんぎ)教授、明治ホールディングス株式会社を中心とする研究グループの成果です。
感染性胃肠炎は、ウイルスや细菌などの肠管感染により引き起こされる疾患で、特に発展途上国の小児において死亡者?罹患者の多い、世界的にも重要な疾患の一つです。感染性胃肠炎の症状として、下痢、呕吐、悪心、腹痛、発热などがありますが、その病态は、栄养状态によって変化することが知られています。そのため、食事が临床症状に影响を与える可能性が考えられますが、その実际については不明な点が残されています。
本研究では、マウスの致死的な感染性下痢症モデルを用いることにより、アミノ酸食が肠管病原细菌感染后の生存率を剧的に向上させることを见出しました。アミノ酸食は肠管病原细菌の肠内での定着や、感染后の炎症を抑制しませんでしたが、感染性の下痢にともなう脱水症を强く抑えました。このアミノ酸食摂取による脱水症の抑制に、饮水量の増加が一因であることが分かりました。アミノ酸分析?16厂谤顿狈础解析结果から、アミノ酸食の摂取は、血中や肠内のグルタミン酸浓度を高め、肠内细菌丛を変化させることが明らかとなりました。そこで、グルタミン酸を経口的にマウスに摂取したところ、饮水量の増加が観察され、细菌感染性の下痢による脱水症を予防することができました。
以上のことから、アミノ酸、特にグルタミン酸の摂取は日常的な饮水量を増加させることにより、脱水症のリスクを下げ得ることが明らかになりました。また、その饮水量の増加は、肠内细菌丛の変化を介した効果である可能性も示唆されました。本研究成果により、アミノ酸による食事介入や肠内细菌丛の改善が、感染性の下痢による脱水症だけでなく、体内水分量が不足しやすい高齢者や乳幼児などの「かくれ脱水」に対しても有効であることが考えられ、今后の実用化に期待が持たれます。本研究成果は、2021年5月31日(米国东部时间)に国际学术誌『狈耻迟谤颈别苍迟蝉』(电子版)に掲载されました。
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