2022/03/09
庆应义塾大学薬学部
慶應義塾大学の研究グループは、腸内細菌叢が宿主の酸化ストレス防御に寄与する新たな仕組みを発見しました。本研究は庆应义塾大学薬学部薬学科の内山純(うちやま じゅん)、同薬学部の秋山雅博(あきやま まさひろ)特任講師、金倫基(きむ ゆんぎ)教授を中心とする研究グループの成果です。
酸化ストレスは多くの疾患発症への関与が知られています。そのため、生体内の抗酸化物质の量的维持が健康维持に重要です。近年、肠内细菌が产生する多様な代谢物が、肠管を越えて宿主の多様な臓器机能に影响を与えていることが明らかになっています。しかしながら、宿主の抗酸化能に対する肠内细菌の寄与については不明なままでした。
本研究では、肠内细菌丛が抗酸化物质である活性硫黄分子の生体内の量的维持および上昇に寄与していることを発见しました。また、肠内细菌はシスチンを基质として活性硫黄分子のひとつであるシステインパースルフィド(颁测蝉厂厂贬)を酵素反応的に产生することも分かりました。そこで、シスチンをマウスに投与したところ、肠内细菌丛依存的に血浆中の活性硫黄浓度が上昇し、酸化ストレス性肝障害が抑制されました。さらに、活性硫黄分子を高产生する肠内细菌も明らかにすることができました。
酸化ストレスは、食?生活习惯の悪化、心理的?肉体的ストレス、老化等により増加しますが、その结果、活性酸素种による顿狈础やタンパク质の酸化的损伤が起こり、心血管疾患?がん?糖尿病?神経変性疾患を诱発します。本研究成果から、活性硫黄分子を高产生する肠内细菌が我々の酸化ストレスに対して防御的に働く可能性が示唆されました。今后はこの活性硫黄分子の高产生菌や、これらの细菌の机能を向上させる物质を利用した创薬や食品开発への进展が期待されます。
本研究成果は、宿主‐腸内細菌間の相互作用における新たな分子基盤の解明に繋がると期待されます。本研究成果は2022年3月8日(米国東部標準時)に国際学術誌『Cell Reports』(電子版)に掲載されました。
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