2023/04/12
庆应义塾大学医学部
庆应义塾大学医学部薬理学教室の笹部潤平専任講師、権田裕亮共同研究員(研究当時。現在、順天堂大学医学部付属順天堂医院助手)、安井正人教授らの研究グループは、九州大学薬学研究院の浜瀬健司教授、順天堂大学小児科学講座の清水俊明教授らとの共同研究で、哺乳類は共生細菌と競合して左右のアミノ酸のバランスを保つことで体内環境を維持していることを明らかにしました。
生命が利用する分子には、利き手があります。右利き用のグローブは右手でしか使えないように、分子の利き手は机能と直结するため重要です。アミノ酸は、アミノ基(-狈贬2)とカルボキシル基(-颁翱翱贬)を持つ化合物の総称であり、その配置により左手型(尝-アミノ酸)と、その镜像の右手型(顿-アミノ酸)が存在します。しかし、生命はタンパク质の材料として左手型だけを利用することで、グローブに正确に収まる机能的なタンパク质をつくり、円滑な生命活动を行っています。このため、我々の体に存在するアミノ酸は大幅に左手型に偏っていることが知られており、左手型のアミノ酸环境を作ることは「生命の証」であると考えられてきました。
一方、近年の分析技术の进歩により、ヒトを含めた哺乳类では、左手型とは异なる机能をもつ右手型の顿-アミノ酸も混在することがわかり、さらにアミノ酸の左右のバランスの乱れは神経?代谢?免疫机能の异常を引き起こすことが明らかとなってきました。では、体内のアミノ酸の左右のバランスは何が原因で乱れ、どのように维持されているのでしょうか。本研究では、左右の型を分离してアミノ酸を网罗的に定量し、これまで谜に包まれてきた体内のアミノ酸の左右のバランスの乱れは、共生细菌が左手型を右手型へ変换することが主な原因であることを明らかにしました。これに対し、共生细菌がつくった右手型のアミノ酸は肾臓で选択的に分解されることで、哺乳类は体内の左手型のアミノ酸环境を维持していることがわかりました。本研究により、アミノ酸を介した哺乳类と细菌との共生関係の理解に役立つとともに、共生细菌の乱れによって発症するさまざまな免疫?代谢?神経疾患のメカニズムの理解や治疗标的の开発に役立つことが期待されます。本研究成果は、2023年4月3日(米国东部时间)に米科学誌 The Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)に掲载されました。
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